本日は、「引く」「引っ張る」の英語表現について学びましょう。
“引く”という意味の英単語には、「pull」「draw」「drag」「tug」「yank」「tow」「haul」などがあります。
※ 比喩的な用法として cringe もあります。
それぞれの違いを見ていきましょう。

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「pull」「draw」「drag」「tug」 の違いと使い方
pull
「引く」「引っ張る」「引き寄せる」
※「引く」の最も基本・万能な動詞
※ 自分の方向に力を加える動作
※ ドア・椅子・ロープ・人など、幅広い対象に使えます。
※ 後ろに来やすい語
・door / handle / rope
・chair / box
・arm / hand
例:Please pull the door open.(ドアを引いて開けてください。)
例:He pulled the chair closer.(彼は椅子を手前に引きました。)
例:Are you pulling my leg?(からかってるんですか?)
※ 日本語の「足を引っ張る(邪魔する)」とは意味が違い、
英語では 「冗談を言う、からかう」 という意味。
draw
「(静かに・滑らかに)引く」「引きつける」
※ 一定方向にスーッと引く、丁寧な動作
※ ややフォーマル、書き言葉、決まった表現で多い
※ 物理的にも抽象的にも使えるのが特徴です。
※ 活用形:draw – drew – drawn
※ よく使われる組み合わせ
・draw the curtains
・draw attention
・draw a sword
例:She drew the curtains shut.(彼女は、カーテンを静かに閉めました。)
例:The speech drew a lot of attention.(そのスピーチは多くの注目を集めました。)
例:Kyoto draws many visitors throughout the year.(京都は、一年を通して多くの観光客を惹きつけます。)
drag
「(重くて)引きずる」
※ 抵抗があり、重さを感じる動作
※ 床・地面に接触しながら動かすイメージ
※ 大変さ・面倒さが伝わる表現です。
※ 使われやすい対象
・heavy box / suitcase
・body / feet
・furniture
例:He dragged the box across the floor.(彼は、箱を床の上で引きずりました。)
例:I had to drag myself out of bed.(無理やりベッドから起き出しました。)
tug
「(短く・急に)グイッと引く」
※ 短く、瞬間的な引く動作で、注意を引く・合図するために使われやすい。
※ pull よりも動きが短く、断続的。
※ tug-of-war は「綱引き」。比喩的に「主導権争い」という意味もあります。
※ よく使われる組み合わせ
・tug at someone’s sleeve / shirt
・tug on a rope / leash
・tug at someone’s heartstrings(比喩:心を動かす)
※ 前置詞なし(tug + 目的語)も可能。回数・合図・結果を強調する場合に使われます。
例:The child tugged at her sleeve. (子どもが彼女の袖をちょいと引きました。)
例:He tugged the rope twice to signal he was ready. (彼は準備ができたことを知らせるため、ロープを2回引きました。)
例:My son tugged at my pants, begging me to buy the toy. (息子が私のズボンを引っ張り、そのおもちゃを買ってくれとせがんだ。)
※ アメリカ英語:pants、イギリス英語:trousers 。

いろいろな「引く」
- yank …「(乱暴に・突然)ガッと引く」
※ 強く・勢いよく
※ 怒り・焦り・危険な場面で使われ、丁寧さはありません。
例:He yanked the door open.(彼はドアを勢いよく開けた。)
※ He yanked open the door という語順も可能です。
- tow …「(車などを)けん引する」
※ ロープや鎖で引いて運ぶ。
※ 車・船など特定の対象に使います。
※ tow truck … けん引車、レッカー車
例:My car was towed away.(私の車はレッカー移動されました。)
- haul …「(重いものを)力を入れて引く」「運ぶ」
※ 大きな力・労力を伴う。
※ 運搬・作業・ニュース文脈で使われやすい。
例:They hauled the boat ashore.(彼らは、船を岸に引き上げました。)
一口コラム 🌱
pull → draw → attract → be drawn to
英語の「引く」は、力のかかり方で少しずつ意味が変化します。
- pull:自分が力を入れて引く
- draw:滑らかに引く、結果として引き寄せる
- attract:魅力によって引きつける
- be drawn to:理由はわからないが、自然と惹かれている
※ pull は自分の力、draw は流れや結果、attract は魅力、be drawn to は無意識の引力。
♡ I’m drawn to you.(君に自然と惹かれている。)
※ be drawn to ~ は、力を入れて引くというより、気づいたら心が引き寄せられている状態を表します。
※ I feel drawn to you. は、その気持ちをより直接的に伝える表現です。
まとめ
pull は「引く」を表す、最も基本的で汎用的な動詞です。
draw は、スッと引くニュアンスの意味や、人を引きつける、注意を引く、など抽象的な意味でも使われ、drag は、重いイメージが加わり、ズルズルと引っ張る時に使われ、tug は、短くグイッと引く動作を表し、綱引きのように引き合う場面でも使われます。
yank は、乱暴に・勢いよく引くニュアンス、tow は、車や船などを運搬目的で引く場合、
haul は、大きなものや重いものを力強く引っ張ったり運んだりする時に使われます。
また、日本語の「引く」には 計算の「引く」という意味もあります。
この場合、英語では subtraction / minus / take away を使います。
6 take away 4 is 2. (または 6 minus 4 equals 2.)
(6から4を引くと2)
Words don’t just have meaning. They pull us in.
言葉は意味を持つだけでなく、心を引き寄せる。

おまけ
◆ cringe の意味と使い方
例:His actions made us cringe.(彼の行動は、私たちをドン引きさせた。)
※ cringe は、特に若い世代のソーシャルメディアでよく使われます。
cringe は、恥ずかしさ・気まずさ・見ていられない感じから、思わず身をすくめてしまうような感覚を表す単語です。
もともとは「縮こまる」「身をすくめる」という身体的な意味でしたが、最近では感情的な「ドン引き」を表す表現としてよく使われます。
特にソーシャルメディアでは、
・Cringe Alert
・Cringe Warning
のように使われ、「ドン引き注意」「見てて気まずくなるかも」といった警告の意味になります。
たとえば、恥ずかしすぎる言動や、見ていて気まずくなる動画を cringey video(ドン引きするような動画)と言ったりします。
◆ 会話でのニュアンスの違い
・I’ll pull it. → とりあえず引くね(中立)
・Let me give it a tug. → ちょっと引いてみるね(軽く)
・I had to drag it. → 仕方なく引きずった(大変)
・He yanked it away. → 乱暴に引き離した(感情あり)
※ 力の強さ+気持ち が動詞に出ます。


