今回は、「人や物事を急がせる」ときに使う英語表現を整理します。
英語では、優しく急かす、強くプレッシャーをかける、行動を促すなど、急がせ方の度合いや立場によって使う動詞が変わります。
代表的な表現には、「hurry」「rush」「push」「urge」「press」「spur」「hasten」「expedite」などがあります。
それぞれ、どんな場面で使うのか見ていきましょう。
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「hurry」「rush」「push」の違いと使い方
※ 本ページでは「人や物事を急がせる」表現を扱っています。
自分が急ぐ場合の表現については、
別ページ “急ぐ” 表現の違いについて をご参照ください。
hurry
「(人を)急がせる」「急かす」
※ 比較的やわらかく、日常会話でよく使われる
※ 相手に「早くしてほしい」と伝えるニュアンス
※ 命令にも依頼にも使えます。
※ 表現自体は比較的やわらかいが、言い方(命令形など)によっては強く聞こえることもあります。
例:Hurry up!(早くして!)
※ hurry up は「急いで!」「早く!」という意味で、相手に急ぐよう促すときによく使われます。
例:Can you hurry up a bit?(ちょっと急いでもらえる?)
※ 疑問形にすると、依頼になり、やわらかい印象に。
例:She hurried him along.(彼女は彼を急かした。)
※ along を付けると、「前に進むよう急かす」ニュアンスが加わります。
rush
「(無理に)急がせる」
※ 時間がなく、切迫した状況。
※ 相手に十分な余裕を与えず、せかせかと急がせるニュアンス。
※ 急がせることで、十分な時間をかけられないニュアンスを伴うことがあります。
※ 焦らせて進める、急かす感覚が強い。
例:The manager rushed the team.(マネージャーはチームを急かした。)
例:They rushed the decision.(彼らは、その決定を急ぎすぎた。)
push
「強く促す」「圧をかけて進める」
※ 相手にプレッシャーをかけたり、強く働きかけたりして行動を促すニュアンスです。
※ ビジネス・交渉・目標達成の文脈で多い。
※ 精神的プレッシャーを含むことが多い表現です。
※ 文脈によっては「無理にやらせる」「強く迫る」という印象になることもあります。
例:He pushed the team to finish by Friday.(彼はチームに金曜までに終わらせるよう強く求めた。)
いろいろな「急がせる」
※ 以下は、人に直接「急いで」と言うのではなく、行動や判断、進行を早める方向に働きかける表現です。
urge
「強く勧める」「促す」
※ 強制ではなく、言葉で相手に強く働きかける表現
※ フォーマル寄りで、気持ちや意図の強さが伝わります。
※ 言葉で相手に強く働きかけ、行動を促すイメージです。
例:She urged him to apply.(彼女は応募するよう強く勧めた。)
press
「圧をかける」
※ 反論しづらい雰囲気を作る。
※ メディア・交渉などで使われる、push よりフォーマルな言い方。
※ 答えや行動などを求めて、相手に強く圧力をかける表現です。
例:The reporter pressed him for an answer.(記者は答えを迫った。)
spur
「行動を促す」「駆り立てる」
※ 直接命令ではなく、出来事・状況・人の言葉などが行動のきっかけになる表現。
※ 刺激を与えて動かすようなニュアンスがあり、比喩的に使われることが多い。
※ 結果として行動が早まるきっかけを表します。
例:The news spurred her to act.(そのニュースが彼女を行動に駆り立てた。)
例:His coach spurred him on.(コーチが彼を励まして奮い立たせた。)
※ spur on は「励まして前に進ませる」「さらに行動を促す」という意味の句動詞。
hasten
「(進行を)早める」
※ 書き言葉・やや文語的
※ 人よりも「物事・過程」が主語になることが多い。
※ 物事の進行や変化を早めることを表します。
例:This decision may hasten the process.(この決定は、その過程を早めるかもしれない。)
※ haste(名詞「急ぎ」)の動詞形。
人が主語になることもありますが、やや書き言葉的です。
例:We hastened to finish the work.(私たちは急いで仕事を終わらせた。)
expedite
「迅速化する(手続きなど)」
※ ビジネス・公的な文脈で使われる表現
※ 人の行動ではなく、プロセスや事務処理が対象です。
※ 手続きや処理を意図的に早めるときに使います。
例:We need to expedite the approval process.(承認手続きを迅速化する必要がある。)
まとめ
◆ 人に「急いで」と促す:hurry
◆ 十分な余裕を与えず急がせる:rush
◆ プレッシャーをかけて強く促す:push
◆ 言葉で強く勧める・促す:urge
◆ 圧力をかけて答えや行動を迫る:press
◆ 刺激を与えて行動を促す:spur
◆ 物事の進行を早める:hasten
◆ 手続き・処理などを迅速化する:expedite
「急がせる」といっても、人に早くするよう促すのか、プレッシャーをかけて行動を求めるのか、物事の進行そのものを早めるのかによって、使う表現が変わります。
日常的に人を急かす場合は hurry / rush、強く働きかける場合は push / urge / press などが使われます。
また、行動のきっかけを表す spur、進行を早める hasten、手続きなどを迅速化する expedite も、状況に応じて使い分けられます。
Sometimes people need a push. Sometimes they just need a little more time.
時には後押しが必要なこともあります。でも、ただもう少し時間が必要なだけのこともあります。
実際の会話例
※ 会話の中では、「どの言葉を選ぶか」で相手への圧のかかり方が大きく変わります。
【日常会話】
A: We’re going to be late! (遅れちゃうよ!)
B: I know, I know. Don’t rush me! (分かってる分かってる。急かさないで!)
A: Sorry, I’m just trying to hurry you along.(ごめん、ちょっと急いでほしくて。)
【職場での会話】
Manager:Hey, any way we can expedite this?(ねえ、これ、もう少し早められないかな?)
Employee:I’ll do what I can. I just don’t want to rush it and mess something up.(できる限りやります。ただ、急ぎすぎて何かミスしたくないので。)
Manager:Totally get it. I’m not trying to push you — I just wanted to check in.(それはわかるよ。無理に急かしたいわけじゃなくて、ちょっと状況を確認したかっただけ。)
おまけ
◎ 「急かす」に関連する英語表現
- Thank you for not rushing me. …「急かさずにいてくれてありがとう。」
※ 相手の配慮に感謝する、やわらかく丁寧な言い方。
- put pressure on(someone)…「(人)に圧力・プレッシャーをかける」
例: My parents are putting pressure on me to find a job.(両親が就職するようプレッシャーをかけてくる。)
- speed(things)up …「(物事の)ペースを上げる」「進行を早める」
例: Can you speed things up a bit?(もう少し急いでもらえる?)
※ 作業やプロセスに対して使えます。
- be on someone’s case …「(人)をしつこく急かす」
例: My boss is always on my case about deadlines.(上司がいつも締め切りのことでしつこく言ってくる。)
※ カジュアルな口語表現
◎ 人を促すときの形と使い分け
🍀 push / urge は、人 + to + 動詞 の形で「人に~するよう促す」と表せます。
× I pushed him hurry.
⭕ I pushed him to hurry.(彼に急ぐよう強く促しました。)
例:She urged him to apply.(彼女は彼に応募するよう強く勧めました。)
🍀 一方、hurry で人を「急かす」ときには、hurry + 人 + along もよく使われます。
例:She hurried him along.(彼女は彼を急かしました。)
🍀 出来事や状況などがきっかけとなって、人を行動に駆り立てる場合には spur + 人 + to + 動詞 が使われます。
例:The news spurred her to act.(そのニュースが彼女を行動に駆り立てました。)
※ rush は、人を急かしたり、物事を十分な時間をかけずに急いで進めたりする場合に使われます。一方、出来事や状況が刺激やきっかけとなって行動を促す場合には spur が自然です。


